ニット素材の衣類などを保管していると、穴がいているのを発見してショックを受けてしまうこと、ありますよね。
ひっかけたわけでもないのに穴が開いてしまっているのであれば、それはもしかすると「虫食い」かもしれません。
このようなトラブルを避けるためにおすすめなのが、防虫剤です。
今回は、この防虫剤の役割や効果、種類などについて解説していきいます。
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防虫剤を使用するメリットについて見ていきましょう
日本の家屋のなかには、衣類を餌として食べてしまう害虫の存在があります。
このような衣類害虫は、収納スペースの徹底掃除やクリーニングなどによって、ある程度防ぐことは可能です。
しかしすべての衣類害虫を寄せ付けないようにするのは、なかなかむずかしいもの。
そこで活躍してくれるのが『防虫剤』です。
防虫剤は、衣類を保管する場所や収納するスペースに、一緒に置いておくだけで十分効果を発揮してくれるもの。
虫にとってはキツイものですが、人に対しては害や影響がないため安心してつかえます。
手軽に使えるだけでなく、取り替えるタイミングを知らせてくれるものも多いため、とても便利。
タンスやクローゼットを消臭してくれる効果もあるなど、たくさんのメリットがあるのです。
防虫剤にはどんな種類があるの?
防虫剤にもさまざまな種類やタイプのものがあります。
最初に知っておくべきなのは、防虫剤の中に使用されている薬剤の種類です。
防虫剤には
- ピレスロイド系
- パラジクロルベンゼン
- ナフタリン
- しょうのう(樟脳)
などといった防虫成分が使用されています。
ピレスロイド系
ピレスロイド系は、非常に安全性が高い防虫剤とされるものです。
現在広く販売されている防虫剤の多くが、このピレスロイド系。
即効性があるほか、虫を追い出して寄せ付けない効果もあります。
ニオイがないため普段使用する衣類を、虫から守るのに適しています。
プロフルトリン製剤やエムペントリン製剤、フェノトリンなども、このピレスロイドの仲間となります。
パラジクロルベンゼン
ピレスロイド系の次に使用されている率が高めの薬剤が、パラジクロルベンゼンです。
かなり高い防虫効果が期待でき、ウールなどを夏の期間保管するときなどにも適しています。
ただし独特な刺激臭があるため、ニオイが苦手という人も少なくありません。
ナフタリン
ナフタリンはゆっくりと、長期間にわたって効果が続くタイプの防虫剤。
ほとんどの素材の衣類に対応しており、フォーマル衣類などの長期保存に使用されることが多いです。
また衣類のほかにも、人形の保管などに使用されることも多いです。
しょうのう(樟脳)
クスノキという樹木を原料とした、昔ながらの防虫剤。
他の防虫剤と同様に、独特なにおいがするのが特徴。
天然由来の防虫剤のため、化学物質の防虫剤に抵抗があるという人にも広く愛されています。
今はあまり多く使用されてはいませんが、毛や絹の防虫に使われています。
防虫剤メーカーによって使用している薬剤が異なります
どのタイプの薬剤を使用した防虫剤化は、メーカーによって異なるケースが多いです。
また同じメーカーから販売されている防虫剤であっても、一方はピレスロイド系、もう一方はパラジクロルベンゼンの防虫剤ということもあります。
効果だけでなくにおいの有無など、好みもあると思いますので、薬剤の種類もチェックしながら選ぶようにすると良いですね。
置き場所によって最適なタイプのものを選ぼう
防虫剤は、使用する場所や目的に応じて選ぶのがベターです。
さまざまなタイプのものがあるので、どのような場所にどのような防虫剤が最適なのか、簡単に解説しましょう。
引き出し・衣装ケース用防虫剤
引き出しタイプのタンスや、衣装ケース、収納ケースなどに横置きで使用するタイプの防虫剤です。
日ごろ開け閉めするような場所はもちろん、衣替えした衣服を害虫から守るためにも使用できます。
有効期間は半年程度のものから、1年ほどのものなどさまざまです。
洋服ダンス用
最近は少なくなりましたが、衣類をつるして保管するタンス(洋服タンス)で使用するタイプの防虫剤です。
コンパクトなタイプなら、クローゼットでも使用が可能。
およそ500L程度の洋服タンスに、1個の防虫剤を使用するイメージです。
衣類と一緒にポールにかけられるよう、吊り下げられるような形状になっているのが特徴。
普段は扉を閉めて、ある程度密封されるような環境で使用します。
クローゼット用
クローゼットやウォークインクローゼットなどで使用するタイプの防虫剤。
洋服タンス用のものと使い方や効果などは同じですが、より広い空間で使用できるものとして分類されています。
使用するクローゼットの広さや、有効期限などに応じて選ぶと良いでしょう。
カバータイプ
大切な衣類に、かぶせて使用するタイプの防虫カバーです。
1着ずつカバーをかけるタイプのものと、数着の衣類をまとめてカバーできるタイプのものとがあります。
衣替え衣類を同じクローゼット内で、分けて保管するような場合に最適。
害虫の被害を防ぐほか、カビやホコリの付着からも衣類を守ってくれます。
和服用
引き出し・衣装ケース用の防虫剤と基本的なつくりや用途は同じです。
デリケートな着物の素材や装飾に配慮した薬剤の配合や、礼服など長期間保存するような衣類を守るのに適した薬剤の配合などになっているのが特徴。
使用する衣類や用途に応じて選ぶと良いでしょう。
防虫剤の効果的な使用方法について
防虫剤はとりあえず、タンスやクローゼットの中に入れればよいと思っている人もいるかもしれません。
それでももちろん効果はありますが、その特徴を理解して使用することでよりしっかりと効果を発揮させることができるのです。
まず防虫剤は空気より重たいため、上から下へと広がる性質があります。
ですので、引き出しや衣装ケースなどに入れる際は、衣類の上に置くのが正解。
クローゼットの場合も、ポールに吊り下げて使うと効果的です。
また収納スペースを衣類でぎゅうぎゅう詰めにしていると、衣類へ防虫成分が十分に行き届かず、効果を発揮できません。
引き出し収納や箱の中に入れて使うときは、衣服の量を適度にし、クローゼットの場合には等間隔にかけると良いですね。
ちなみに、一般的な防虫剤は揮発性のもののため、密閉性の高いところで使用することで効果を発揮します。
クローゼットや引き出しは開けっ放しにしたりせず、できるだけ閉め切った状態にすることも大切です。
広いウォークインクローゼット内で使用する場合には、その広さに合ったタイプの防虫剤や、カバータイプのものを活用すると良いでしょう。
防虫剤を正しく使って効果的に衣服を守りましょう
防虫剤は正しく使えば高い効果が得られるものです。
ニオイの気にならないタイプのものも多く販売されているので、衣類の収納場所に応じて賢く活用してみてはいかがでしょうか。